バーチャルリアリティの技術が総合格闘技の世界に革命を起こす⁉
日々発展しているバーチャルリアリティ (VR)の技術は、オンラインゲーム体験に革新を起こしていると言われています。より没入感のあるインタラクティブなゲーム環境が提供可能となったのはもちろんのこと、今やeスポーツとしても認知されるようになり、エンターテイメントとスポーツの垣根を超えたものとして多くの人に新たな楽しみを提供しています。
このように、最近ではスポーツの試合観戦も多種多様化してきました。ブックメーカー mma などを介してスポーツベッティングをしながら試合を楽しむファンも増えてきています。また、その際にもVR を使用することで、プレイヤーだけでなく、観客も実際の試合をその場にいるかのように楽しむことができるようになってきました。こうした革新的なアプローチは、最先端のエンターテイメントを求める新世代のゲーマーを魅了しています。
それはここ数年、再注目されている総合格闘技の世界でも同じ。バーチャルリアリティは、これまで想像もできなかった方法で、スポーツ界に革命を起こしています。
世界でも人気の総合格闘技
総合格闘技と聞くと、多くの人がまず思いつくのが、かつて日本全国で一世を風靡した『PRIDE』ではないでしょうか。ボクシングやキックボクシングなどの、いわゆるパンチやキックなどの打撃を多用して闘う格闘技をはじめ、レスリングや柔術など、なんでもありと言っても過言でないぐらい、ありとあらゆるスタイルの格闘技を駆使して選手たちが勝利を目指す姿は、当時の日本人を夢中にさせました。桜庭和志やミルコ・クロコップといったファイターたちが、お茶の間の人気をさらったのを覚えている方も多いのではないのでしょうか。
この総合格闘技、もちろん、日本国内のみならず欧米では『Mixed Martial Arts』を略したMMAの略称でも知られています。そして日本以外のアジア圏でも、シンガポールやタイをはじめ、多くの国から優秀なファイターたちが生まれ、活躍しています。他の格闘競技と比べてもルール制限が極めて少ないこともあり、ムエタイやテコンドーなど、地域色豊かな格闘技を生かしたファイターたちが全く異なる格闘家と闘う姿を見ることができるというのも、総合格闘技というスポーツの大きな特徴となっています。
eスポーツ界でも人気ジャンル
肉体の限界に挑戦して戦う総合格闘技とeスポーツ、一見、何のつながりもないように見えるかもしれませんが、そんなことはありません。そう、格闘ゲームといえば、eスポーツ界でも一大ジャンルを形作っていると言ってもいいほど、人気のあるタイトルなのです。
かつて日本国内のみならず世界中で人気を博した『ストリートファイター』はじめ、『鉄拳』などはプロゲーマーでなくても、一度はプレイしたことがあるという方のみならず、腕が腱鞘炎になるほどハマったという人も少なくないはずです。
現在、こうした格闘ゲームはeスポーツの世界大会でも頻繁に行われる鉄板タイトルとなっています。そして、こうしたeスポーツでの格闘ゲームと、実技の総合格闘技がコラボしたイベントも開催されるようになってきました。
2019年には、東京で開催された『ONEマーシャルアーツ・ファンフェス』の一環で、総合格闘技をメインとした『ONEウォリアー・シリーズ』と同時に、『鉄拳7』の大会である『トーキョーインビテーショナル』と『ストリートファイターV』のトップ選手が競い合う『トーキョーチャレンジ』が催されました。
VR技術を使ったトレーニング
VRとは「Virtual Reality」の略で、日本語では「人工現実感」や「仮想現実」などと呼ばれているもので、VRゴーグルを装着することにより目の前が別世界となり、簡単に非日常な体験をすることができるという技術です。そして、この技術を活用することで、まるで本当にその場にいるかのような臨場感でスポーツを楽しむこともできるようになってきました。
例えば、VRテニスやVRゴルフなどのゲームでは、リアルな動きやプレイが再現されており、プレイヤーはテニスラケットやゴルフグラブにボールが当たる感覚もリアルに体感できるようになっています。また、VRスポーツでは、自分の身体を実際に動かしてゲームを操作することになるため、運動不足の解消や健康増進にも役立つと期待されており、数あるエンターテイメントのなかでも健康に適したものとして高く評価されています。
さらには、実在の選手の動きなどをプログラムに取り込むことにより、プロ選手のトレーニングやフィットネスの一環としても活用できると考えられています。
こうした技術は、当然ながら総合格闘技の各ファイターのレベルを高めるためにも活用できると考えられており、実際に日本国内でも、VR 技術とモーションキャプチャ技術を⽤いた⾝体の動きを表現するシステムを開発し、それを利⽤した総合格闘技の技能向上のためのプログラムの製作などの開発も行われています。
新世代のエンターテイメントとして
VRの大きな特徴として、プレイヤーが現実世界でプレイするときよりも性別や体格差、年齢差などを気にすることなく試合を行うことも可能となるという点が挙げられます。さらに、オンラインで試合を行うことで、国籍や言語、住んでいる地域といった違いが大きな障害となることなく、多くの人がプレイできるというメリットがあります。グローバルなコミュニティを形成できるだけでなく、VR技術を活用することで従来のスポーツでは難しいような環境やシチュエーションでのスポーツ体験も提供することが可能と言われているのです。
こうしたテクノロジー技術がより浸透していくことで、総合格闘技界のみならず、スポーツ界全体においても、プレイヤー人口のみならず、それを応援するファン人口もより増えていくのではないかと期待されています。